アコギに弦を張るときにブリッジピンが飛ばない方法

お客様からのご相談で、「新しい弦を張る時に、ブリッジピンが抜けてくるのでやりにくい・・・」というのをたまにうかがいます。
ブリッジピンが細いのか?穴が大きいのか?と考える場合が多いですが、実はちょっとした工夫で解消できます。

袋から出した弦を、そのままブリッジの穴に入れてみます。
皆さん普段はこうしているのかもしれません。
断面図で表すとこの様な感じになります。
そのままブリッジピンを差込みます。
弦にテンションがかかると、ボールエンドがブリッジピンの先端に引っかかり、そのまま上へと押し上げる力が起こります。
ある程度まではピンと穴の摩擦の力で耐えていますが、弦を張っていくとそのうちピンが浮き上がってきます。

運が悪いとロケット発射のように飛んで行ってしまいます・・・
最悪はそのまま紛失ですね。
ここからが本題ですが、
ブリッジ穴に通す前に、弦のボールエンドから1センチぐらいのところ(補強のためグルグルと巻いてある部分)で、軽く折り癖を付けておきます。
断面図で表すとこの様な感じになります。
ボールエンドがブリッジピンの先端に引っかからないように、うまくよけることができます。

また、ピンを差し込むと同時に弦を引っ張り上げるようにすると、ピンとブリッジ裏面にボールエンドがつっかえる(固定される)事が確認できます。以降の作業で緩んでくる事を防げます。
このようにして弦を張っていくと、ボールエンドはブリッジピンの先端には引っかからず、ピンの側面とブリッジの裏側に当たる部分にピッタリとはまります。

こうなればいくら弦を強く張ってもピンへかかる力が真上方向ではないため、ピンを穴へ押し付ける力が働きます。摩擦力が高まるため、基本的には弦を張るほど抜けにくくなります。
基本的にはピンは差し込まれた力で止まっているのではなく、弦に引っ張られる事で摩擦が生まれて止まっています。
となると、穴に対してピッタリのサイズかやや緩めがベストです。太いものはこの様には使えません。

フォルヒの純正ブリッジピンは、穴に対してやや細めです。
そのため良く抜けるというご意見もありましたので、その解説も兼ねさせて頂きます。