ギターの保管方法と取り扱いについて


皆さんはお持ちのギターをどのように保管し取扱いされていますか?
専用の部屋に空調も万全にして置いている、なんて素晴らしい環境の方もおられるでしょう。
多くの方は、リビングやオーディールームの片隅のギターコーナーに、スタンドに立てたりしているのではないかと思います。
また、ギターは弾いた後に何かケアをしていますか? 弾きっぱなしで置いてありませんか?
ここでは、我流になりがちなギターの保管方法や取扱いのポイントをお話します。

▼保管場所の確保と、その環境をチェック。

ギターはその大部分を木材で構成しているため、温度・湿度の影響を受けやすく、膨張・収縮をします。
過度な環境の変化は思わぬトラブルを招く場合がありますので、保管の基本は『人間が快適に過ごせる環境』をギターにも与えてやるという事です。

ギターを保管するのに適した場所は?

@専用の楽器保管ルーム
少数派ですが、専用の部屋を持てればそれは素晴らしいです。
多くのギターコレクションをずらっと並べて悦にひたる部屋です。空調も万全であることと思います。

Aご自身がいる時間の多い部屋
大多数の方はリビングルームなどに、オーディオやCDが置いてあり、それらのそばにギターも置くでしょう。
常にご自身やご家族が利用する部屋ならば、快適な空間となるようにエアコンを使用したり、窓を開けたりする頻度も高いと思います。
注意すべきは、多くの人間が利用する空間のため、ギターを知らない(扱いの分からない)方が手を触れる可能性があるという事です。
お子様がいらっしゃれば、部屋を走り回ってギターを倒してしまうかもしれません。
掃除機を使用していてコードがギタースタンドに絡まり、ギターが倒れてしまうかもしれません。
できれば壁掛けタイプのスタンドを使用して、そのような危険を回避しましょう。

Bベッドルーム
ベッドルームは多くの場合北側にあるため、直射日光も当たらず、昼夜の気温差も大きくないと思います。
また頻繁に人間が出入りする事もないので、上記のようなギターを倒してしまうような危険も避けやすいでしょう。

物置や押入れ、車の中などでギターを置くというのは問題外です。絶対にしないようにしましょう。


▼日頃のギターのケア方法

ギターを弾かれる方にも色々なタイプがおられます。汗かきな人、脂性な人、激しく動き回る人、ストリートライブ中心、家でコツコツ練習、毎週練習&毎月ライブするバンド、ライブ中に客席へ投げられるギター、火をつけられるギター、コレクションとして磨かれるギター・・・
ギターは音楽を奏でる道具です。職人は道具を大切にします。大切にされた道具は長く貴方の相棒となります。

ギターは弾いたら毎回次のことをしてやって下さい。

@アコギ・ベースは弦を緩めましょう。
弦が張った状態はネックに数10キロの力が加わっています。そのまま置いておくとネックの反りや、アコギの場合はトップの膨らみといった問題が起こる可能性があります。エレキギターは弦が細く張りが弱いためあまり緩める必要はないです。ただしヘヴィーな弦を張った場合は緩めましょう。
「私は毎日弾くから緩めない」という主義(?)を主張される方もおられますが、古いギターなどでそのほうがネックが安定するギターもあることは事実です。しかし、多くの場合はリスクを避けるために面倒でも毎回緩める方が賢明です。
貴方は、明日も車に乗るからといって夜帰ってきたら一晩エンジンをかけたままにしますか? そういうことですね。

A弾き終わったら軽く全体を拭いてやります。
ギターは美しく塗装されているものが多く、ラッカーやウレタンなどの塗料が使用されています。
ラッカー塗料は膜が弱く経年変化を起こしやすいです。それが年月を重ねたヤレた感じを演出し、使い込まれたアジとしてよしとされます。
ウレタン塗料はラッカーに比べて耐久性があるので、長年美しさを保つ事ができます。
しかし、アジがあるのと汚いのは訳が違います。個人的な美的感覚の差があるでしょうが、不潔なものは良くないです。
ギターを弾くと指紋や手垢、汗やつばなどがボディーに付着します。それらはついたすぐに拭き取れば楽器用クロスで乾拭きするだけで簡単に落とせますが、時間が経つと塗料を変質させてシミになり落とせなくなります。
毎回ギターを拭いてやることで、「ギターにキズが付いた」とか「木が(塗装が)割れている」なんていうトラブルも早期発見することで、大事に至らずに澄む事だってあるのです。

B弦は早めに交換を。
錆びた弦は音が悪いですね。キラキラした感じがなくなりこもって聞こえます。
それだけならいいですが、そのサビが他の金属パーツに移ることもありますので要注意です。
また錆びてザラザラした弦は、演奏中に指先を痛めるかもしれません。
錆びてきた弦を長く使うことなど、メリットはひとつもないので、さっさと交換してしまいましょう。
交換ついでに指板やボディーなど、普段弦の下にあって拭けない部分は、磨いてやって下さいね。