フレットの交換


フレットは消耗パーツなので、磨耗で高さにばらつきが見られ、擦り合わせでは対応できない低さになれば交換です。
どのような流れでフレット交換が行なわれるのかを、簡単にご紹介します。


左:アコースティックのエボニー指板+バインディング付き。
中:アコースティックのローズ指板、バインディングなし。
右:エレキのワンピースメイプルネック、指板塗装あり。

指板の材質やバインディングの有無などにより、作業の進め方は細かく違いがある。またエレキのメイプルネックなどは、フレットの上から塗装をしてある場合もあるので、フレットを抜く際には塗装を剥がさないように注意が必要。
ノミを軽く当ててフレットの両サイドを叩き、浮き上がらせていきます。フレットと指板の間に力加減に注意しながらくさびを打つ感じです。

このとき、上から塗装がされているフレットの場合は、事前にカッターなどで塗装を切っておきます。
フレットを浮かせたら、ペンチではさみ慎重に抜いていきます。
あせって周りの木材をめくる事のないように、注意です。

抜いたあとの溝を見て下さい。ホコリやサビ、手垢などが混ざった粉が出てきます。これだけ汚れているのです。
フレットを全て抜き、並べてみました。
フレットはその役目を終えて、錆びて黄ばんでいます。ご苦労様!

そして指板をクリーニングして、この機会に溝まできれいにします。
新しいフレットの打ち込みです。まずは指板のエッジに、フレットの端を合わせて、軽く打ち込んでいきます。

最初は仮止めに軽く打ち込み、次にしっかり根本まで打ち込み、最終的に指板のRにあわせたカーブを整えていきます。作業には指板やフレットを傷付けないよう、木槌やゴムのハンマーを使用します。
新しいフレットが打ち終わりました。
上:フレット交換前。
中:フレット抜いたあと。
下:フレット交換&指板クリーニング後。

違いがはっきり確認できますね。
指板の茶色と、シルバーのフレットのコントラストが違います。
古ぼけたギターも、グッとシャープに見えます。