ギターの音が合わない?

お手元のギターをしっかりチューニングしてみましょう。
そして各弦の各フレットを押さえて弾いてみると、チューナーで測ると音が微妙にずれています。なんてことだ!


弦楽器にフレットを付けるという発想自体が妥協である

ギターという楽器の起源を語るのではありませんが、同じ弦楽器でもバイオリン・チェロなどはフレットレスですね。
フレットがない弦楽器で的確に音程を出すには、相当な鍛錬を必要とします。
その点ギターはフレットとフレットの間を押弦すれば、意図した音程を簡単に発音することができます。
最初にフレットを思いついた人はエライですね。

でもここで、押さえて出た音がずれてるじゃないかっ というツッコミがはいるのです。
べつにそのギターが不良品ということではありませんよ。
なぜそうなってしまったのかというと、フレットはある法則で得た数値で取り付けられています。
簡単に言うと、その計算は綺麗に割り切ることができず、小数点第○位以下を四捨五入したものだという感じです(?)。
まぁ、通常人間の耳では聴き取れない程度の誤差であります。

それに加えて、プレイヤー各自の押弦する力加減によってもチューニングは変化します。
弦を強く押さえてみてください。フレットの間に弦がめり込みます。
この状態はいわゆるチョーキングと全く同じなんです。りきんで弾くほどにチューニングは#してしまいますのでご注意を。


ギターの音が合わないというのは誇張した表現ですが、ほんとはその曖昧な音程感こそがギターの魅力的な音色にも関係しているともいえます。わずかな音程のズレから発生する少しよどんだ響きこそ、ギターの複雑な音色を構成する上でのスパイスとして働いているのかもしれませんね。

近年ではさらに賢い人が、これらの「ギターの音程の矛盾点」を解消する画期的なチューニングシステムを搭載したギターも開発され発売しています。機会があればそのようなギターたちをお試しいただくのも良いかと思います。